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マーラーを斬る!

Ver 0.02 Last updated :2005.8.13

交響曲第二番 「復活」


マーラーの交響曲第2番は、第一番「巨人」の反省から生まれたそうだ。第一楽章は、当初、「交響詩 葬礼」という名まえで出版されたらしい。これをマーラーが修正、2〜5楽章をつけたのが、この曲だ。マーラーが合唱入りのはじめての交響曲を作ったのもこの曲。100年を過ぎた今でも、現代人の心に染み入る曲である。





贅沢なほどに感動的な演奏だ!
    レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック

PRESS:Deutsche Grammophon
CD番号:459 081-2
録音:1987年4月 ニューヨーク、エイヴェリーフィッシャーホール
評:贅演。重い。ひたすら重い、かなりの遅演。バーンスタイン特有の、たっぷり歌わせる手法は聞いててかなり疲れるが、贅沢なほどの音色と音量を駆使し、よくぞここまでまとめあげた、という感じ。ティンパニは重厚な響きで、不思議な世界を演出している。アメリカのオケらしく、ビブラートを多用した明るい金管の響きが、重い演奏とちょっと違和感を感じさせる。第一楽章、あまりの長さに、これからおそってくるであろう第2〜5楽章の波を聞くのが辛く感じてくる。テンポの変化を、つながるように演奏している個所が多い。第二楽章、のんびりした曲をチョーのんびり再現。第三楽章、ルーテの音は好感がもてる(笑)。後半の盛り上がりは劇的さを演出♪嵐のように襲ってくるのはさすが。第四楽章は、実はテンシュテットより早く演奏されている。アルトをじっくり歌わせて、聞き手を泣かせる。第五楽章、これでもかといわんばかりの粘り気が襲って来る。音楽の変わり目ではっきりテンポを変えるところがとても効果的。大変シンフォニックな演奏。シンバルの音色が大変よい。ラスト、パイプオルガンを大きめに入れ、音色を活用しているのが感動的。しかし一番最後の音はバーンスタインらしく、あっけない。羊羹みたいにのばしてくれないかなぁw



スマート!現代的なマーラーだ!!
    サー・ゲオルグ・ショルティ/ロンドン交響楽団

PRESS:DECCA
シリーズ名:なし
CD番号:448-921-2
録音:1966年5月 ロンドン、キングズウエイホール
評:爽演!若いショルティらしく、スマートな演奏。洗練されている。第一楽章はダイナミックスの変化が大変強調され、テンポのメリハリも効いている。前半は早め、特に第4楽章はかなり早いが、5楽章についてはじっくり攻めている。第三楽章冒頭はティンパニの音程が微妙。ルーテの音が「カッカッ」という感じ…「ザッザッ」というが好みなんだが(笑) 2ndティンパニがほとんど聞こえないことがある。ロンドン響の演奏もショルティの棒に激しく反応し、応えている。管楽器のバランスが絶妙。40年前の演奏とは思えない。泣かせるところは充分に歌った、好演。



ドイツ的な厚みと人情の演奏!
    ミヒャエル・ギーレン/バーデン・バーデン&フライブルクSWR交響楽団)
              ※かつての「南西ドイツ放送交響楽団」

PRESS:heanssler
CD番号:CD93-001
録音:1996年6月3日〜7日 アーバナ クラナート・センター
評:珍演。厚みのあるドイツオケならではの好演。(゜∇゜ ;)エッ!?こんなところでこんなことをするの!?という感じのテンポ設定など、ギーレンの解釈の珍しいところが随所に感じられる。しかし違和感がない。金管楽器のまっすぐな音色もマーラーの音楽に実によくマッチしている。トライアングルがよく響く。第三楽章終わり部分の2ndティンパニのソロを、木のバチでたたいている。初めて聴くには?だが、何枚かこの曲を聴いてる人にはお薦め。



ん〜いまいちな演奏だ!
    クラウス・テンシュテット/ロンドンフィル

PRESS:EMI
シリーズ名:なし
CD番号:5 72941 2
録音:1981年5月 ロンドン、キングズウエイホール
評:並演。ロンドンフィルにしてはそこそこな演奏。しかしバイオリンのリズムの不ぞろい、トランペットの音色、木管の音程などは、やはり耳につく。細かい部分でオケのアンサンブルが気になる。シンバルは英国のオケらしく長めの響きで大変好感がもてる。全体にダイナミックレンジも狭い。テンシュテットもいろいろやろうとしているのが良く分る。第四楽章が恐ろしく遅く、間延びした印象。さすがのバーンスタインもここまではやらない(笑)。第五楽章で1stティンパニが間違えて一小節早く入っている場所がある。




交響曲第七番


このマーラーの交響曲第七番という曲は、マーラーの交響曲の中ではどちらかというとマイナーな方に入る。この7番はマーラー自身が「失敗作だ」と言ったという話も残っている。しかし私はそうは思わない。ひたすら暗さに徹する6番なんかより、ずっとマーラーらしいのだ!と常日頃から力説しているのだ。暗と明、裏と表の倒錯がまるで一体のように絡み合うこの曲こそが、マーラーの神髄といっていいと思う。第5楽章は明るい曲想から敬遠されがちだが、全楽章がお互いに及ぼしている影響が微妙に影を落としている曲で、単に明るいという曲ではない。バカといってしまえばバカかもしれない。しかし彼が表現したかった微妙な線、これは他の交響曲のどれにもない、実にデリケートな世界なのである。





ちょっと変!しかしこの曲の微妙な線を表現した演奏だ!!
    ジュゼッペ・シノーポリ/フィルハーモニア管弦楽団

PRESS:Deutsche Grammophon
シリーズ名:なし
CD番号:453 133-2
録音:1992年5月 ロンドン、オールセイント教会
評:妙演!マーラーが言いたかったことが「かなり」表現されてると言える演奏。次々に変化する曲の表情をとてもよく表現している。バランスもよく、録音場所のよく響く音響とあいまって、87分という超遅演(普通は77分程度)にもかかわらず、息を付く暇もない。フィルハーモニア管の力、特に金管の素晴らしい響きは特筆。総合評価ではbest盤といえる。第二楽章の牧歌的世界もじっくり歌い込んでいるところがよく、カウベルもよい響き。第五楽章のテンポの緩急はもう最高。頭から数えて2番目に出てくるティンパニのトレモロが楽譜と違うのは、シノーポリの指定とは思えない。ちょっとやりすぎの印象もぬぐえないが、最後のクライマックスのテンポ設定で全てが許せてしまう。日本人に過小評価されているシノーポリを救え!



ねっちょり粘り気のある演奏だ!
    レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック

PRESS:Deutsche Grammophon
CD番号:459 088-2
録音:1985年11月〜12月 ニューヨーク、エイヴェリーフィッシャーホール
評:濃演。バーンスタインらしい濃厚な演奏。まさにユダヤの血がかよっている演奏といっていいだろう。金管はこの曲に関してはシカゴ響よりよい響き。打楽器の音もよい。第一楽章も納得づくめの濃い解釈。第二楽章、牧歌の雰囲気がめちゃくちゃ出ていて最高。第四楽章も冒頭のVnソロから泣かせる。第五楽章は響きに厚味があってとても嬉しい。ただしクラリネットの音程が悪い。随所にバーンスタインならではの演出がかいま見える。最後の音の直前に楽譜にないクレシェンドが入ってるのはバーンスタインらしい。



理知的な演奏!ただしオケは下手!!
    サイモン・ラトル/バーミンガム市交響楽団

PRESS:EMI
シリーズ名:なし
CD番号:CDC 7 54344 2
録音:1991年6月21日〜22日 スネイプ・コンサートホール ライブ録音
評:賢演。バーミンガム市響ははっきり言って下手だ。わたし自身、ロンドン出張時にラトル=バーミンガム市響のコンサートを聞きに行った(シマノフスキ交響曲一番がメイン)が、やはりオケの印象は悪く、特に金管と弦の音程がひどかった。しかしサイモン・ラトルはオケの技量を超えたところでこの曲の目指すところを表現しようとする気迫が感じられる。重過ぎず軽すぎないこの曲の意図を見事に再現しているといってもいいだろう。第一楽章の貧弱なオーケストレーションを、殆どいじることなく演奏しているあたり、作曲者の意図するニュアンスを伝えようという意志が伝わってくる。冒頭のテナーホルンソロのビブラートが少しいやらしい。第二楽章はさながら「ミニ第五楽章」に徹している。ライブとはいえ、第五楽章のトランペットは最初から最後まで音程が低すぎて聞くに堪えない(日本のアマチュアより下手)。しかしながらオケの力不足を音楽にまとめあげるラトルの力量はさすが。うならせる解釈だ。願わくば、もっと上手なオケにラトルが迎えられることを祈っている。



正統派解釈!しかし何か足りない!
    サー・ゲオルグ・ショルティ/シカゴ交響楽団

PRESS:DECCA
CD番号:425 041-2
録音:1971年5月 アーバナ クラナート・センター
評:爽演。ショルティの洗練された感性があますところなく表現された演奏。あえて言えば奇をてらわない正統派解釈。金太郎飴的なところは否めない。オケは比較的上手い。金管の迫力は言うまでもなくシカゴ響ならでは。ただし一部木管の音程が気になるところがある。第一楽章の味はスルメのように「かめばかむほど味がでる」ことを音で表現しているという感じ。第二楽章もおしゃれに聞かせている。第三楽章の不気味な感じがいまいち。綺麗に流れすぎるので、もうちょっと不気味にやってほしかった。第五楽章のテンポは全体に速すぎる気がするが、第二楽章、第四楽章のnacht musikとわざと対極的にさらっと流しているように思える。冒頭のティムパニは軽すぎる。トランペットは、ずーっと音程が不安定で気持ち悪い。またこの楽章始まって7分6秒のところでティンパニソロが叩き損ねている。トライアングルの倍音が不快。全体にあっさりお醤油味。





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